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Mentor’s Eye 本間 真彦氏 メッセージ

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 ■第9回「YOLO (You Only Live Once) 〜好きなように生きろ〜」             [2014/03/17メルマガ配信]
 インキュベイト・ファンド 代表パートナー 本間 真彦 氏 
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1.【どの山に登るか決めよ。大企業で出世する山と自分の会社を大きくする山】

 もし起業志望の若い人で、大企業に行くか、ベンチャーを始めるか、迷っている人がいたら、それは問いが間違っているし、時間の無駄である。そもそもそれは、サッカーをやったらいいか、野球をやったらいいか迷っているくらい、違ったものを比べている。大企業で出世してトップを目指すのか、自分の会社を作ってひたすら大きくしていくのか、両方とも崇高な山である。前者にはトヨタや三菱UFJ銀行といった大企業で出世していくのは並大抵の努力では実現しない道だし、後者はソニーの井深さんやホンダの本田さん、今はソフトバンクの孫さんやユニクロの柳井さんを目指すといった、果てしない道がある。どちらも立派な道であるが、両立はしない。両者とも最後は大企業の社長という結果は似ているが、プロセスは全く違う。ここをはき違えると人生を無駄にする。まずどちらの山を目指すのか、決めた方がいい。若く決断できれば高く登ることができる。どちらの山を登るか決めるのが遅れれば、低くしか登れない。サッカーの本田選手やフィギュアスケートの浅田選手が幼少のころからプロやオリンピックを目指すのと似ている。高校を卒業してからプロになりたい、オリンピックを目指したいのでは遅すぎるのだ。起業して自分の会社を大きくする山を登ると決めた人は迷わず登り始めて欲しい。

2.【YOLO(You Only Live Once) 。好きなように生きろ。】

 僕は独立してベンチャー人になるのが遅く、30歳を超えた頃からである。大学卒業まで体育会で育ち、有名な大学に行くことと、有名な大企業に入ることは同じようものだと考えていた。両親も兄弟もサラリーマンで独立した人が身近にいなかった。新卒でジャフコという投資会社にはいることも、独立してベンチャーをやることも、自分の周囲の人の人生とは全く異なっていた。都度友達や家族に報告する度に、お前は何をやってるんだ、というトーンだった。自分が社会通念と違う、間違ったことをしているのかと考えた時期もあったが、今振り返って思えば、結局社会は多様で、いろんな考えでいろんな人生を送っている人がいる、ということを知らなかっただけだった。独立したいと思ってやり方がわからなない、賛同者がいない場合は広くアンテナを伸ばして、それを実際に独立して成功している人に話を聞きにいくべきだ。身近な人に聞いても答えはでない。スティーブジョブスは、"人生は短い。自分以外の誰かの為に人生を浪費するな"と言った。僕の投資先の社長も、シリコンバレーではこのような言葉があると教えてくれた。"YOLO"(You Only Live Once。人生一回きり)。つまり、自分の周りの友達や同級生や親がどう思うかとか、そんなのはどうでもいいことで(皆自分とは違う人生を選んでいるから)、自分が思うように自分の人生を組み立てていくことが大事だし、相談するなら同じことをやっている人に限るべきだ。

3.【独りよがりになるな。社会の動きを観察せよ。】

 せっかく人生をかけて起業するなら、ということで、自分のやりたいことを実現する為に会社を作る人が多い。やりたいことをやることは大いに結構である。しかし、一方で世の中や社会、そして市場のニーズが、自分の人生に合わせて産まれる訳ではない。遠い将来の詳細なロードマップを考えても無駄だ。考え方で大事なのは、俺がこう社会を変えてやるという発想だけでなく、社会がこう変化するから俺はこう考える、こういうことを実現したい、という柔軟さ。与えられた社会や市場のニーズの中で、相対的に好きなこと・得意なことに焦点を合わせる練習をした方がいい。成功している起業家やベテランの起業家はここが非常にうまい。絶好球が自分の望むタイミングで来る訳ではない。自分が打席に立ち、その中でアウトにならない球、ヒットになれる球を選び抜く努力が必要だ。もちろん自分のやりたいことと社会のニーズがピッタリ合う時がある。その時はホームランが打てるだろう。また、独りよがりに自分のやりたいことを追求するあまり、会社の成長性をおろそかにする起業家も多い。会社を作ったら成長していかないといけないのか、と聞かれることが多いが、原則僕は大きくしていった方が良いと答える。成長しない組織は社長だけが幸せで社員が不幸になりやすいからだ。会社が成長しないと社員が次々と活躍する機会を与えられない。

4.【最後に、周りの人に感謝せよ。会社のつながりというより、人のつながり。】

 起業人生を進むことは、YOLOなスタンスで生きる人生であるは間違いない。しかし、最低限のルールはある。シリコンバレーでも日本でも、ベンチャー業界は、ムラ社会的な側面がある。誤解を恐れずに言えば、プロ野球やお笑い業界に似ている。大御所から若手まで、大金持ちの人もいれば四畳半に住んでいる人もいる。大体皆、同じような領域の事業をやっている(スマフォアプリ、ゲーム、広告)。会社に関係なく、先輩が後輩を教えたり、ご飯を奢ったりする。先輩が後輩に抜かれることもある。今は売れなくても現役な先輩もいる。原則実力主義ではあるが、年功や人間関係がゼロではない。それは、起業やベンチャーが成功するかどうかは、その人の実力だけではなく、時の運、周りの人の助けがあって、成立するものだからと、中にいる人が理解しているからである。また、会社が大きくなれば、顧客、社員、株主、同業者と、関係する利害関係者が増える。それぞれの利害関係社へのリスペクトなしにいい会社は育たないし、いいサービスや事業は作れない。ここを肝に銘じながら、若手の皆さんは大いに勝負してもらいたいと思っている。

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