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ソフネットジャパン株式会社 代表取締役 小田 基治氏 ~平成24年度情報通信ベンチャービジネスプラン

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<氏名> 小田 基治氏
<社名> ソフネットジャパン株式会社
<役職> 代表取締役
<設立> 1989年7月
<資本金> 5000万円
<URL> http://www.sofnetjapan.com

 ソフネットジャパン株式会社は、本格的な広告コンテンツを驚きのコストパフォーマンスで手軽に発信できるデジタルサイネージシステム「サイバーサイネージ」を開発・提供しています。サイバーサイネージは、ブラウザー上でのマウスのドラッグ&ドロップの簡単な操作でできる、完全クラウド型で、次世代の電子広告の形として、注目を集めています。また他にもインターネット端末「サイバープチ(ロビーPC・お部屋PC)」を業界に先駆けて開発し、全国のホテルや公共施設・ターミナルなどに広く設置展開しています。その導入実績は、全国約4000台と、業界TOPクラスの導入実績を誇っています。ソフトウェアとネットワークを融合し、ICTを駆使した情報化社会の発展に貢献する企業として業界に先駆けて付加価値の高いネットワーク・クラウドビジネスを展開しています。

1.初めに

 「第16回 HiBiS(広島インターネットビジネスソサイエティ)インターネットビジネスフォーラム情報通信ベンチャービジネス事例発表会」で、ソフネットジャバン株式会社が提供する新規事業「サイバーサイネージ」が最優秀賞(NICT賞)に選ばれ、広島地域代表として第14回(平成24年度)NICT情報通信ベンチャービジネスプラン発表会へ出場しました。ソフトウェアとネットワークを融合することで、ICTによる付加価値ビジネスを展開し、デジタルサイネージ配信システムで、シェアを伸ばしているソフネットジャパン株式会社は、平成元年に代表取締役 小田基治さんによって設立されました。小田社長は、2012年に創業99周年を迎える家具&ホームファッション店を展開する広島発の老舗企業(年商約26億)、小田億株式会社の社長も兼任されています。小売りで培ったノウハウを武器に、ICTを生かしたビジネスアイデアを具現化しています。急速に普及が進むデジタルサイネージの世界で、業界地図を塗り替える勢いで躍進中のソフネットジャパン株式会社を御紹介します。

2.【二足の草鞋】

(聞き手) 「完全クラウド型のデジタルサイネージシステム「CYBER-Signage(サイバーサイネージ)」は、今回広島からの推薦を受けて発表されていますが、すでに全国に広がりを見せています。また、驚くべきことは、二足のわらじとは思えないほどの大きなビジネス、家具の小売業とICTビジネスの2つをこなされています。一見するとまったく関係のない、両分野のようです。ICT分野のビジネスに、興味を持たれたのはどういう理由からだったのでしょうか?

(小田氏)  個人的に音楽が好きで、約27年前の32才の頃、小田億株式会社の副業としてレンタルレコードビジネスを始めました。レコードレンタルの大手、友&愛のフランチャイズに加盟して、最盛期には13店舗ほど広島市内に出店していました。当時、友&愛の店舗は全国に約1000店ありました。その頃は、何万と言う数にのぼる商品情報から、いつ誰に貸して返して頂くか等の会員情報の管理を、スタンドアローンのPCを各店に置いて、お店の中で管理し完結させていました。その為、チェーンストアとしてのオペーレーションが出来ず、とても不便な状態でした。会員証も店毎に作る必要がありましたし、同じグループでも、別の店ではレンタルの返却も出来ない等、チェーンならではの付加価値が提供できなかったのです。

それを解決する為に、データを一箇所に集めて、各店舗とオンラインでやりとり出来るよう、自社向けの情報管理システムの開発に着手しました。更には、開発するなら、全国に通用するようなしっかりしたシステムを作り、出来ればそのシステムを販売したいと考えました。

(聞き手) 約25年前は、通信環境も貧弱で、まだADSL、ISDNの時代だと思いますが、自社の課題を解決するシステムの開発にとどまらず、販売用のシステムとして品質の高いものを開発・販売されると言うご決断をされるのは、先見性がなければ出来ないことだと思います。

(小田氏)  当時の通信速度は1200bpsくらいでパソコン通信の時代でしたが、その環境を使って、あたかもインターネットにつながっているかのようなリアルタイムの価値を出そうと挑戦しました。与信情報、商品情報、時間軸情報など、複雑な情報を全店舗で共有できるシステムを開発したいと考えました。現代なら、ネットを使えば簡単に出来ることですが、当時はこれらをリアルタイムで共有するにはデータのやりとりの方法や持ち方など大変な工夫が必要でした。だからこそ実現できると、たくさんのお店からニーズがあるはずだと考えて、開発し、広げる事を目的に起業したのが、ソフネットジャパンです。ソフトウェアとネットワークを融合させて、ネットの付加価値を商売にしたい、ネットワークだからこそできるソフトウェアを作りたい、それが「ソフネットジャパン」の名前の由来です。

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3.【レンタルレコードビジネスで見たもの】

(聞き手) 小田億は、御祖父さまの時代から材木店として大正時代に創業されています。お父様が小田億株式会社を家具屋として引き継がれて、小田社長は3代目ですが、まったく新たな分野での起業だったのですね?

(小田氏)  設立当時、知人から、このようなICT企業は東京に会社を作らないと難しいと、言われて東京本社で起業しました。当初は社員を25人ほど、広島から連れて来て、泉岳寺に大きなビルを借りて、事業を開始しました。ところが最初は大損をしたのです。最初の1年~2年で億単位の損失を出したので、これではダメだと感じて、3年目には事務所も小さなところに移し、社員も1人だけにして、あとのメンバーは全員広島に帰して、軌道修正しました。しかし、業態を圧縮した途端に、なぜか急激にお客様が増え始めたのです。開発は、当初外注をしていましたが、徐々に自社開発にシフトしていきました。

(聞き手)  まさに時代はバブルの頃かと思います。レンタル業界の店舗が増える流れにのってICTシステムも広げていかれたのでしょうか? 

(小田氏)  当時はフランチャイズでお店を作ると言う業態が増えていたので、そこに商機があると考えて展開していました。レンタル業界は、ご承知の通りレコードからCD、ビデオへと業態も広がっていきましたが、それらのお店から、システムの受注を頂くようになり、最大時では、600店ほどのお店で弊社のシステムを採用して頂きました。たとえば、現在はTSUTAYAグループになっていますが、約120店ほどあったレンタルビデオチェーンのサンホームビデオさん、他にも関西に40~50店舗持つ、チェーン店などで採用して頂きました。データをセンター管理の方式にして、付加価値をつけたことがお客様に導入して頂けた理由だったと思います。

4.【TOPシェアを取ると言う戦略】

(聞き手) どのような付加価値を提供されたのか具体的に教えていただけますか?

(小田氏) 当時は、各店舗で多くのアルバイトスタッフなどが顧客情報などを入力して打ち出し、FAXでデータを本部に送るのが一般的でしたが、それらの経営情報を、逆の流れでセンター側から習熟したオペレーターが、情報入力し、経営分析などを行って一元管理することにしました。そして、各店舗に情報を送ると言う流れに変えました。この流れにすることで入力時のミスも少なくなり、総合的には人件費を削減しつつ、データの信頼性を上げることができました。この流れはチェーン店の負担も大きく削減する事になりました。弊社側で運用するセンターのシステムは一元化されていましたので、入力作業以外のすべての処理は自動化しました。たとえば毎月数百と言う商品が入ってきますが、今まではそれらの商品情報を100店あれば100倍の労力をかけて各店舗ですべて入力しなければなりませんでしたが、センター管理にすることで、一度入力してマスター登録を行えば、その情報をチェーン各店で活用できました。 

 また、システム面で言うと、当時は通信速度が非常に遅かったのでリアルタイムでの情報管理は、困難でした。たとえば時間毎に貯めておいた情報をバッチ処理*して送っていましたので、タイムラグが大きな問題になるわけです。各店ごとに何万人の顧客情報を送る事も、通信環境が悪い中では非常に時間がかかります。そんな状況の中、いかにもリアルタイムでつながっているかのごとく、IDコードだけを先に送るなど、とにかく様々な工夫を凝らして、限りなくリアルタイムに近い形でセンター管理を実現していました。それらが、お客様に選んで頂けた理由だと思います。

(聞き手) 注目すべきことは、シェアの広げ方です。大きな規模で導入する戦略を取られていたのでしょうか?

(小田氏)  ビジネスを広げる戦略として、チェーン企業店向けシステムの開発にこだわった理由は、採用していただけると一度にお客様が増えるので、効率が良いと考えての取り組みでした。ただ、この10年ほどでレンタルレコード業そのものが下火になり、同時に寡占化も進んでいて、中小のチェーン店や個人店が淘汰されていく環境となり、業界全体が大きく変化していくのを実感して、新たなビジネスにチャレンジする事になりました。

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5.【ビジネスの本質を見る 】

(聞き手) ネットワークビジネスのめまぐるしい栄枯盛衰の中でタイミングを見て、新たなネットビジネスに着手されるのは大変な事と思います。

(小田氏)  自社で13店舗、リアルのレンタル店を持っていたのですが、このビジネスはこのまま長くは続かない・・・と感じたのが発端です。もともとレコードだけ取り扱っていたのですが扱う商品にCDが増えると、既存店にとっては二重投資になります。後から参入するお店はCDだけ取り扱うことができるので、業界地図が一気にガラリと入れ替わるのです。そうしている間にベータ・VHS、レーザーディスクなど、次々と出てきますが、その度に投資も必要になり、ショップも入れ替わっていくので、このままではキリが無いと感じたのです。 

 同時にフランチャイズと言う業態を見ていて、「フランチャイズ=訴訟ビジネス」と言われるように、仕事としてフランチャイズを仕掛ける側にはリスクが常につきまとうと感じました。フランチャイズはご承知のとおり、人のお金で、売上・利益を作っていけますが、絶対に成功させなければならないという大きな責任を負います。しかし、100%成功するとは限らないのも事実です。 

 そんな中、弊社が参画していた、友&愛の本部が提供するPCの管理システムは、加盟店すべてに提供していましたが、それを開発した会社は、いくらフランチャイズ本部とお店がトラブルになり、閉店になっても、まったく責められることなく、商売の結果に左右される事なく、最後まで感謝されると言う状況でした。その姿を見た時、これが商売の本質だと気付いたのです。そして商売の本質に近付かなければ、時代の流れの中で廃れる日が来ると感じたのです。レンタルビジネスの本質が、情報だと知った瞬間、そこで商売をしたいと考えました。

(聞き手) 業態を「情報」に進化させることを決めたのですね。次にどのような情報ビジネスに着手されたのでしょうか?

6.【業界初、ネットキオスク端末ビジネスモデル創造】

(小田氏) 今から12~13年前の事になりますが、次に始めたのは公衆インターネット端末事業でした。最初はテーブル型のネット端末「ネットテーブル」と言われる、天板がガラスで、その中にPCの入った、キーボードを引き出せるものを作りました。テーブルなので、喫茶店やレストラン、ロビーなどに置いて、休憩の際にネットができるよう、有償の課金モデルにしたいと考えました。そこでコインシューターのメーカーさんにコンタクトをして、開発に着手しました。思った以上に大変な時間のかかる開発となりましたが、100円で一定時間利用できる仕組みを作る事が出来ました。当時は、ルノアールさんにも何店か導入して頂きました。メンテナンスも、テーブルの中をユニット式にして心臓部だけを引き出してそれを送ってもらうと言う簡単なものにしましたが、それでも、テーブルが重く、手間もかかるとの事でそんなに大きくは伸びませんでした。 

 その頃、同時にスタートしたのがテーブル式ではなく、ネットキオスクです。コインシューター付きで一定時間を課金することで利用可能なものです。公衆電話BOXの中や、駅、ホテルのロビー、空港のロビーなどに設置することになりました。

(聞き手) 当時はまだインターネットは、有線の時代ですが、新しい市場を創造されたのですね。

(小田氏)  はい、現在、そのインターネット端末「サイバープチ(ロビーPC・お部屋PC)」はホテルでは約2000店に導入いただいております。最初は100円で15分など一定時間お客様にご利用頂けるサービスだけを提供していましたが、途中からは無償化していきました。ホテルでは、ロビーでは無償で提供するケースも増えたので、その場合はホテルから定額で利用料を頂きます。また、現在最も多いご利用方法は、ノートパソコンのレンタルです。1泊1000円ほどでお貸しするケースが多いのですが、宿泊のお客様へのホテルのサービスとして、フロントでお借り頂いてチェックアウトの際に返して頂くと言うものです。 

 現在、このモデルで貸出しているPCは、全国に4000台ほどあります。貸出から、保守・メンテナンス、3~4年の耐用年数を過ぎたら新品への交換まで、弊社には投資が必要なビジネスでもあります。PCは私達が購入するので、ホテルはノーリスクで、お使い頂けます。またこのビジネスモデルでは、売上は、一定の比率でホテルにお返ししています。色々な人がご利用になりますので、毎回、初期化して情報漏洩対策、セキュリティー対策、そして端末側のソフトもリモートで更新する等、リアルタイムのサーバ管理まで対応しています。何万件にものぼるPCの貸し出し情報をきちんと管理して、クラウドでホテルサイドにも情報を見て頂けるよう透明性を実現し、利益を分配する為の情報管理・精算システムも、すべて自動化で開発したので、コストも抑えられ、利益を上げることが出来ています。

(聞き手) 一見すると、ホテルにPCの貸し出しをするのは、そんなに難しいビジネスのようには思わないのですが、お話をお聞きしていると、大変なノウハウがあるからこそ、エンドユーザーにも低価格で提供できるビジネスなのだと実感します。レンタルビジネス時代に培われたシステムがあるからこそ、可能なサービスなのですね。利用状況はどのように推移しているのでしょうか?

(小田氏) 利用率は、ホテルにもよりますが、平均すると1ヶ月10回ほどです。このビジネスは、弊社が事業として最初に始めたので、先行者メリットもあったかとは思いますが、最初に普及し始めて、ある時期を過ぎてからは、ホテル業界の横のつながりから、急速に増えていきました。他にも同じようなビジネスを始めた企業も現れましたが、ほとんど辞めたか、お客様が増えていないようで、現在では弊社が国内のホテル業界の80%~90%のシェアを持っています。 それでもこのビジネスも永遠では無いと思っています。こちらも市場の変化で、最近はスマホ、タブレットなどモバイル端末が普及していますので、レンタルの比率がここ1年ほどで2割ほど下がってきています。この市場がまったく無くなるとは思いませんが、これ以上伸び続けるのは難しいと考えています。

7.【満を持して誕生したサイバーサイネージ】

195x327px サイバーサイネージ展示

(聞き手) ネットの世界の浮き沈みは本当に早く、お聞きしていると10年のサイクルで新しいものが出てきているように感じますが、新たな戦略が、デジタルサイネージですか?

(小田氏) サイネージについては、この言葉が無かった20年前くらいから、個人的にとても興味がありました。モニターをポスターや広告に使えばいいなと。そうしていると液晶ディスプレイが登場し、薄型になり、動画にも対応し、綺麗で明るいので、これを将来は紙の代わりに使うことが出来れば・・・と思っていました。昔はモニターの値段が高く、非現実的でしたがここ5年くらいで低価格になったことを受けて、その夢を実現する時期が到来したと言う感じです。サイネージと言う言葉も知らなかったのですが、「電子看板を作りたい!」と、ずっと思っていました。 

 今から5年ほど前の夏、朝5時頃、散歩をしていると、ある会社のショーウィンドウの液晶モニターに会社の宣伝が流れていたのを見たのですが、それを見てとても感動しました。「こんな風に使っている人がいる!」と知って、すぐに開発に取り掛かりました。早速ネットで色々と調べてみると、既にサイネージ業界があり、サイネージのショーも行われていました。自分が知らなかっただけで、遅かった!と思いましたが、その後、実際に展示会に行って、様々な企業が出展するサイネージを見たら、スタンドアローンばかりで、思ったようなものは無かったので、これなら勝てる!まだ、全然遅くない、と実感した事を思い出します。

(聞き手) 前述のサイバープチのコストもそうですが、サイバーサイネージのコスト競争力も大変優れています。静止画と文字だけなら、1ライセンス月額約980円*から、動画対応も可能なフルバージョンは月額約2500円~約3600円*で提供されていますが、このような値段を実現する発想について、お聞かせいただけますか?

(小田氏)  自分自身が家具屋の経営者として、景気も悪い中でも、いくらだったらサイネージを何十台も店に置いてもいいか?と言う発想から値段をつけています。また、初期費用を抑えることも重要ですが、売り切りではなく、ネットワークを絡めることで長期的な収益モデルにすることが大切です。配信型のサイバーサイネージのプロトタイプは約1ヶ月で開発しました。その頃の物でも業界ではトップレベルだったと自負していますが、当時開発した物はクラウドではなかったので一度、捨てることにしました。 

 そしてブラウザーのみでデータ編集処理からスケジューリング・配信までフルセットで対応が可能な完全クラウド型のシステムを約1年かけて再開発し、2010年7月から販売開始しました。完成直後の展示会では、岡山県の医療用品メーカー、ダイヤ工業株式会社様から大口の発注を頂きました。お客様が取引している全国の1万ヶ所以上の治療院にサイバーサイネージを設置したいと言うお話でした。現在は約300店の整骨院に導入頂いて、患者さん向けの腰痛体操番組や医療用品のCMを配信されているようですが、患者さんにも役立つ情報だと喜んで頂けているそうです。 

 他にも病院やファッション業界に導入が進んでいて、販売開始から約2年で現在約1000店に導入されています。アパレル業界の三鈴様には約100店舗に現在、導入されています。サイバーサイネージの代理店は、約20を超える数にのぼりますが、現在も増えている状況です。サイバープチで、ハードのメンテナンスの大変さを経験したので、その反省を踏まえて、今回はハードの販売ではなく、ネットワークビジネスに特化しました。表示用の端末やハードは、弊社から購入いただいても、別の場所で購入いただいても構わないと言うモデルです。

 また、配信よりも本当はコンテンツビジネスの方が利益は大きいのかもしれませんが、そこも本業ではないので、あえて手を出してはいません。それが、代理店が増えている理由のひとつかもしれません。また代理店側から見ると配信では儲けようとは思っておらず、使い易い事、そして値段が安いことが重要です。またハードメーカーとも競合にはならないで、どの分野の企業とも仲良く組めるのです。 

 サイバープチもある台数を超えてからは、営業しなくても、お客様側から導入のお問い合わせを頂けるようになりましたが、今回のサイバーサイネージもそうなると考えています。

(聞き手) サイバーサイネージの特徴を教えてください。

(小田氏) フルハイビジョン動画に対応した高品質な電子広告コンテンツの制作から配信までを、ブラウザー上でのマウスのドラッグ&ドロップの簡単な操作でできる、完全クラウド型のシステムです。
1.クラウドコンピューティングで低コストを実現。手持ちのパソコンと普通のインターネット環境さえあればすぐにデジタルサイネージの運用が可能。
2.サイネージの制作・配信運用は自由自在。コントロールセンターを呼び出して頂いて、お渡ししたIDとパスワードでそれぞれの操作画面が出てきますので、いつでもどこでも誰でも運用が可能で、お持ちのPCの処理能力には依存しません。ブラウザーが使えれば、古いPCでも、家に余っているTVもお使い頂けます。
3.サイネージ端末はどんなタイプでもOK。屋外型の大型サイネージ端末から、床置き・卓上型・壁掛け・ノートパソコン、ipad、AndroidタブレットPCにも対応。 ハードの選定は自由。Wi-Fiなどネット環境と、アンドロイドスティック*、HDMI*の端子のついたモニターがあれば、どこでもサイネージが可能。

(聞き手) 今後の市場をどのようにご覧になられていますか?

(小田氏) 国内だけでも何百から何千万台、やがては億の単位の台数が広がると考えています。今年8月には海外展開を開始して、Google PLAYとAppsで配信サービスを受けるためのライセンスをダウンロードでご購入頂けるようにしたいと思っていますが、まずは最初の1~2本は無償バージョンの提供から始めたいと考えています。お客様に経験をしていただき、契約をしていただく事が重要だと考えており、まずはニーズの大きいアメリカから広げていきたいと思っています。海外を見渡しても、今のところ、弊社のサービスを超えるものは無いと自負しています。 

 サイネージは紙の進化と捉えていますし、省エネでもあります。使用用途も広告はもちろんですが、工場での製造管理の分野や、社員への情報伝達などマーケットは今後、まだまだ広がると考えています。ただこれらがすべて実現するには、E Ink*やコスト低減など次の技術革新も必要だとは思いますが、その日は必ず来ると信じて挑戦を続けたいと思います。

368x239px サイバーサイネージ表示例

8.【取材後記】

 ビジネスプラン発表会では、最初準備されていたサイバーサイネージのデモが動かないと言うハプニングが発生。その場で、約1分でサイネージ画面を作り直して、逆に参加者からは、こんなに素早く簡単にサイネージ画面が作れるのかと驚かれたと言うエビソードもあるそうです。展示会や発表会に出る度に、大きな反響があるのも、確かな配信システムと小売業で培った顧客目線でのコストを実現しているからなのかもしれません。海外からも、台湾・中国・韓国など数社のハードメーカーから、標準の配信の仕組みとして採用したいと、問い合わせも入っているそうです。AppsとグーグルPlayで、現在も一部公開されているソフトウェアも無料にして、デファクトスタンダード*を狙って現在、展開されています。世界中のあらゆる場所に、サイバーサイネージを見る日もそう遠くは無いのかもしれません。

【参考資料】
*バッチ処理・・・一定期間(もしくは一定量)データを集め、まとめて一括処理を行う処理方式。または、複数の手順からなる処理において、あらかじめ一連の手順を登録しておき、自動的に連続処理を行う処理方式

*2013年6月現在 サイバーサイネージ価格表 
 http://www.cybersignage.net/signage_price.html

*アンドロイドスティック・・・アンドロイドスティックはandroidOS駆動でテレビや液晶モニターのHDMI端子に挿入して使うミニコンピュータの総称

*HDMI・・・High Definition Multimedia Interfaceの略。映像や音声、制御信号を1本のケーブルでデジタルで送り込むことができるインターフェイス

*E Ink・・・超薄型ディスプレイの名称。「電子ペーパー」と呼ばれる技術の一種で、薄く軽量で紙のように折り曲げることができる表示装置。紙に印刷した文字と同じく、外部からの光を反射して表示を行う反射型の表示法で、180度近い視野角があるとされる。また一度表示した画像の保持には電力が不要なため、消費電力が少ない利点も持つ。

*デファクトスタンダード・・・「事実上の標準」。ISO、JISといった国内外の標準化機関が定めていないにもかかわらず、市場競争の結果、グローバルスタンダードが成立すること

◆平成24年度情報通信ベンチャービジネスプラン発表会のリンク先 
 http://www.venture.nict.go.jp/event/bp2012/report

◆Japan IT Week2013春 第3回スマートフォン&モバイルEXPO NICT出展の展示会でのソフネットジャパン映像取材の様子
  NetRushTV  http://www.netrush.jp/chiiki20130519.html

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